歴史、音楽、サッカーをテーマに、ヨーロッパ各国とアメリカ各州を歩いた旅の記録です。アジアも少し歩き始めました。

ヨーロッパの旅は、バルセロナやドルトムントなど有力サッカーチームの試合観戦と古代ローマなど西洋史の舞台や遺跡を巡ります。

アメリカ各州の旅は、ポピュラー音楽を楽しみつつ、その歩みや歌詞を手掛かりに、各地の文化、歴史と触れ合います。移民大国、人種のサラダボウルと呼ばれる国、アメリカ。生み出される音楽も実に多種多様です。以下はこの旅で出会った音楽です。

country music (カントリー)、western swing (ウェスタンスウィング)、roots rock (ルーツロック)、southern rock (サザンロック)、pops (ポップス)、bluegrass music (ブルーグラス)、folk music (フォーク)、mountain music (アパラチア山脈の伝統音楽)、blues (ブルーズ)、R&B、soul music (ソウル)、Dixieland jazz (ディキシーランドジャズ)、cajun music (ケイジャン)、zydeco (ザディコ)、minstrelsy (ミンストレルシ)                      (タイトル写真) Pensacola Beach,Florida,USA
     

7/10/2015

24. アパラチア山脈 カントリー音楽の源流





テネシー州ナッシュビルを後にして、アパラチアの山岳地帯に向かう。大自然とMountain Musicを求める旅である。
最初の目的地は、ノースカロライナ州アッシュビル(Asheville)だ。



アパラチア山脈は、ピンクで囲んだ連山をいう。全長約2600㎞、ニューヨーク州からミシシッピー州にまで及ぶ。中心は、バージニア州とノースカロライナ州。

そもそもアパラチア地方は、アメリカに新天地を求め移住したアイルランド人が住み着いた地。


先にアメリカ東海岸を占拠した民族(アングロサクソン人等)に追われて、この山岳地帯に住み着いたといわれている。
彼らは、鉱山や鉄道の敷設の労働力として、不当なほど安い賃金で雇われた。その苦しい日々の労働から解放されるためだろう、家族がいろんな楽器を担当し、みんなで歌い、踊ったといわれる。


カーター・ファミリー・ピッキングというギター奏法で有名なカーター・ファミリーもアパラチアの出身のミュージシャン一家だそうだ。

その後彼らの音楽 (Mountain Musicと呼ぶ)は大衆に広まり、ブルーグラスやカントリーと呼ばれる音楽に進化していった。


ブルーグラスの特徴の一つとして、長調の曲なのに高音のもの悲しい表現をする歌い方(high lonesome)がある。

アメリカの黒人系音楽の生い立ちと似ている。黒人音楽の原点であるブルースも労働苦などの日常を歌にした。3度や7度の音をフラット(下げ)させて憂いを出す、いわゆるブルーノートが特徴だ。


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