テネシー州ナッシュビルを後にして、アパラチアの山岳地帯に向かう。大自然とMountain Musicを求める旅である。
最初の目的地は、ノースカロライナ州アッシュビル(Asheville)だ。
アパラチア山脈は、ピンクで囲んだ連山をいう。全長約2600㎞、ニューヨーク州からミシシッピー州にまで及ぶ。中心は、バージニア州とノースカロライナ州。
そもそもアパラチア地方は、アメリカに新天地を求め移住したアイルランド人が住み着いた地。
先にアメリカ東海岸を占拠した民族(アングロサクソン人等)に追われて、この山岳地帯に住み着いたといわれている。
彼らは、鉱山や鉄道の敷設の労働力として、不当なほど安い賃金で雇われた。その苦しい日々の労働から解放されるためだろう、家族がいろんな楽器を担当し、みんなで歌い、踊ったといわれる。
カーター・ファミリー・ピッキングというギター奏法で有名なカーター・ファミリーもアパラチアの出身のミュージシャン一家だそうだ。
その後彼らの音楽 (Mountain Musicと呼ぶ)は大衆に広まり、ブルーグラスやカントリーと呼ばれる音楽に進化していった。
ブルーグラスの特徴の一つとして、長調の曲なのに高音のもの悲しい表現をする歌い方(high lonesome)がある。
アメリカの黒人系音楽の生い立ちと似ている。黒人音楽の原点であるブルースも労働苦などの日常を歌にした。3度や7度の音をフラット(下げ)させて憂いを出す、いわゆるブルーノートが特徴だ。
0 件のコメント:
コメントを投稿